自宅、町を離れて夜を明かすキャンプには、明りが必要なのは言うまでもありません。
キャンプ場で明りを担うのは、ランタンです。
ランタンと懐中電灯の違いは、全周を照らせるかどうか、です。懐中電灯は向けた方向を遠くまで照らせますが、横や背後は全くと言っていいほど照らし出されません。
ランタンは(多少の例外はありますが)基本的に全周を照らす造りになっています。
キャンプ場は足場も不慣れで周りも何があるかわからないのが普通ですので、できるだけむらなく周囲を照らすことが、安全なキャンプにつながります。
そんな重要なランタンをどのように選べばよいか、用途に応じてご説明いたします!
キャンプに必要なランタンの数は?
キャンプに必要なランタンの数は、サイトの大きさによってもある程度変動はありますが最低でも3個は用意すべきでしょう。
ひとつはメインランタン。
名前の通りキャンプサイト全体を照らすメインとなるランタンです。
そこであなたがキャンプをしていることを周囲に伝える役割もあります。
いずれにせよ最も強く光るランタンを用意しましょう。
そうすることでキャンプサイトを安全にし、夏場は虫がそちらに集まり、テーブル周りやテント内を快適に保つことも期待できます。
次はテーブルランタン。
調理や食事などをするテーブルを照らす照明です。
家のシーリングライトと違って作業する手元に置くので、あまりまぶしいものは向きません。虫を引き寄せる原因にもなってしまいます。
ほどほどに明るいものをひとつ置いてもいいですし、キャンドル程度のものをいくつも置くなど、カスタマイズするのも楽しいですね。
最後はテント内のランタン。
寝るときは明りを消す人が大半ですが、自宅の寝室と同じくらいテントに慣れているということはありませんので真っ暗にしておくと危険です。有事に備えて一晩点けておけるくらいの明るさのものを用意しましょう。
ランタンの種類
ランタンの役割の次は、種類についてご説明します。
ランタンは燃料によって大きくガソリン(灯油)ランタン、ガスランタン、LEDランタンに分けられます。
それぞれに適したポジション、メリットとデメリットがあるので順にご説明します。
ガソリンランタン
燃料にホワイトガソリンや灯油を使うランタンです。(車に使うガソリンではありません)
メリットは光量が大変大きい、つまり明るいことです。燃料の消費も少なめなため、長時間燃焼し続けます。この性質のおかげでメインランタンはガソリン、というのがキャンパーの定番です。
デメリットは管理が少し煩雑なこと。液状の燃料にそのまま火をつけるのではなく、一度ポンピングという作業をして燃料を気化してから火をつける必要がありますし、こまめなメンテナンスも欠かせません。
ガスランタン
ブタンやプロパンといったガスを燃料に使うランタンです。
メリットはもともと気化しているため点火が容易であること、光量も大きいことです。
また、専用の道具を使うことで調理用のコンロのガスと共用できる場合もあるため燃料の管理もでき、コストを抑えることもできます。
とはいえガスは燃焼時間に比してコストが高めになるデメリットがあり、アウトドア専用のガスを使用しない場合は寒い時期に光量が不安定になりがちです。
燃焼温度自体はガソリンランタンよりやや低いので、タープ内での使用も可能です。
LEDランタン
LEDの高性能化が進んでいる現在、最も多く使われているのがこのLEDランタンです。当然電池を使用します。
熱をほとんど発しないためテント内でも安心して使えるのが何よりのメリットです。
スイッチのオンオフで簡単に点灯を制御できること、光量や光の色も調整できるものがあるなど、状況によって柔軟に運用できるのはLEDならではですね。
普通に使うとややまぶしい印象のあるLEDですが、屋外で使うにはいささか光量が心もとないためメインランタンに向かないと言われます。
また、蛍光灯に比べれば燃費がいいとはいえ、光量を確保するためにはそれなりに電気がいるため燃料コストはやや高め。電池自体も意外とかさばり管理にも少々手間がかかります(電池残量が基本的に目に見えないため)。
おすすめランタン8選!
コールマン ノーススター 2000 / 2500 チューブマントルランタン
コールマンでもっとも有名なガソリンランタンは「ワンマントルランタン」ですが、これはモデルチェンジがほとんど行われてないこともあって、初心者には少々扱いが難しいものになっています。
なのでここではこちらのノーススターをおすすめします。
明るさもワンマントルランタンをしのぐほどでありながら、電池式の着火装置を採用しているため初心者でも簡単に点灯できることがポイントです。
メインランタンとして活躍してくれるでしょう。
スノーピークス リトルランプ ノクターン
これひとつで夜間に調理をするのはいささか光量が足りないと感じるかもしれませんが、メインランタンの光の範囲内で使用すれば問題ないかと思います。
焚き火をそうするように、同行者の夜の語らいに使うととても良い雰囲気です。
プリムス P541マイクロランタン
小さくて軽く(本体124g)、ホヤ(ランプ部分)が金属製のメッシュ製で割れないため、少々雑に扱っても壊れにくいのも良いところです。
光量があるのでポールなどに吊ってサブランタンとして使えるよう、ワイヤーがあらかじめ付属しています。
コールマン ミレニア LEDキャンプサイトランタン
光量は驚異の1000lm(ルーメン)で非常に明るいのはもちろんのこと、防水性能がIPX4(水中以外可の防水防滴性能)なのでどんな悪天候でも灯し続けられ、突然の雨にも心配が要らない頼もしさがあります。
ロゴス パワーストックランタン2000
ポイントは充電式で、電池を必要としないこと。そしてUSBポートを備えているためiPhone等を充電することができることが挙げられます。
光量も調整できるので、メインランタンにしても良し、光量を押さえてテーブルランタンにしても良し、テント内につるしても良しの万能ランタンです。
ただ、最大光量だと8時間しか点灯できないので、メインランタンにするにはやや、心もとないかもしれません。
ジェントス SOL-144S
防水性能としての事実上最高性能IPX7のため、水中に落としてしまっても壊れません。
なので通常のキャンプはもちろん、夜釣りのお供にもピッタリなランタンと言えるでしょう。
モンベル サンライト
光量だけでなく光の色も変えられます。
DOD ソーラーポップアップランタン L1-427
ホヤ自体が蓄光素材でできているため、消灯後すぐに真っ暗になることもありません。
主にテント内ランタンとして使うのに適しています。
おわりに
キャンプの明りには「作業を助けるもの」と「くつろぎを演出するもの」の2種類が求められます。
上手に選び、使い分けて、素敵なアウトドアライフを楽しんでください!