人生の三分の一は睡眠、などと言いますが、一日の三分の一、つまり8時間の睡眠を確保しようと思うとなかなか難しいのが現代社会。
では少ない時間でより良い、質の高い睡眠を手に入れるにはどうしたらいいか……そう、寝具ですね。
ベッドや布団は大きな買い物になりがちなのでなかなかおいそれと変えられませんが、その点、枕なら手軽です。
枕の重要性はなんとなく知っているけれど、「理想的な枕」を探しに専門店に足を運ぶのは何となくおっくう……わかります。
なので、せっかくネットで簡単に枕を選べる時代なのですから、理想のサイズも自宅で測ってしまいましょう!
枕の正しい選び方からおすすめの枕まで、徹底的かつ簡単に、ご紹介します!
枕、使ってますか?
「枕なんてなくても寝られるし。枕が変わると寝られない、とか信じられん」
男性にはこういう方、多いですよね。
使っていても、ホームセンターで値段見て買った枕を10年使ってる、とか。
頭部は体重の約8%の重さがあるそうです。
体重65kgなら、5.2kg。小さい米袋くらいの重さです。片手で持つと結構重たく感じると思います。
背骨は横から見ると、緩やかなS字のカーブを描いていますね。正面から見れば当然、まっすぐです。言い換えれば、その形状が正しく保たれている状態が、骨にとっても筋肉にとっても自然な状態、というわけです。
それは立っている間だけではありません。寝ているときも、もちろんそうなのです。
男性の場合は首周りから肩にかけての筋肉が女性より発達している傾向がある、と言っても、寝てる間中それを支えるのは無理な話です。しかも首一本で。
無理が続けば首の筋肉や骨に異常が出ます。肩こりくらいならかわいいもので、頭痛やめまい、睡眠中無呼吸症候群など、深刻な障害が出ることもあります。首の骨には脳から出ている神経の大本が通っているのだから、当然といえば当然ですね。
無理な負荷が首周りにかかった状態で寝たところで、よく眠れるはずもありません。
それを防ぐために、枕は必要なのです。
枕の選び方
さてなんだか怖い話をしたところで、実際にあなたに合った枕を選ぶ方法をご説明しましょう。
体形は十人十色ですから、誰にでもおすすめ! みたいなのはありません。
その代わり、ちゃんと探す方法はあるのです。
「専門店で実際に使ってみて、店員さんに相談しましょう!」
というのがベストアンサーのようですが、お店の敷布団(マットレス)が偶然自宅と同じ、のようなミラクルがない限り、参考程度にしかなりません。(参考にはなるし、楽しいのでやってみるのはおすすめします)
家にあるもので簡単にぴったりの枕を仮組してみましょう。
次にフェイスタオルを1枚用意して、2回たたんで四重にします。(幅10cm程度の帯状に)
たたんだフェイスタオルをバスタオルの端に乗せます。
ベッドに置いて、フェイスタオルの上に首が乗るように仰向けに寝てみてください。
顔が真上の天井よりわずかに下(5度くらい)を向き、首がすっとまっすぐになっていたらそれがベストの高さです。
顔が正面から上を向いていたら首の部分が厚すぎるのでフェイスタオルの折り方で調整してください。
逆にうつむき加減になっていたり、頭が後ろに引っ張られる感じになっていたら、首の部分が薄いか全体が薄いかです。タオルを足してみてください。
直立しているときとほぼ同じ角度になったら、それがあなたの理想の枕の形と言えます。
厚さを測って+1cm(沈み込み分。固めの材質なら5mmで充分です)を目安に選んでみてください。
ポイントは、「思っていたより意外と低い(薄い)」ということと、「首を支える」ことです。
普段の寝姿勢から選ぶ
というのが普段仰向けで眠る方向けの枕の選び方です。
横向きが好き、という方は、まず、「今の枕が厚すぎるのかもしれない」と疑ってみた方がいいかもしれません。
横向きに寝るのが悪いわけではありません。人は一晩に30回程度寝返りを打つので、横向きに寝ている時間もそれなりにあります。
ただ、今の枕が厚くて固いから横を向いたら丁度良いだけ(あるいは多少マシなだけ)、という場合も結構あります。
仰向けのほうが胸や肩への負担が少なく、寝返りもスムーズにできるので、睡眠の質も上がります。今使っている枕のせいで横向きになっているなら、これを機に仰向け用の枕を選んだ方がいいかもしれません。
横向きが好きなら柔らかめの抱き枕をセットで使うと、胸や足の負担が軽くなるので驚くほどよく眠れるようになりますよ!(肩はどうしようもありませんが)
うつ伏せで眠る、という方はおそらく枕を使っていないでしょう。
うつ伏せだと首が逆向きにそり、胸も圧迫されてしまいます。
元気な時ならともかく疲れていたり、これから年を重ねると筋肉と骨への負荷からだんだん眠りの質が落ちてしまうことになります。これを機に早めに仰向けに寝るよう矯正した方が良いでしょう。
夏の枕、冬の枕
冬は柔らかくて包み込むような枕、夏は横向き寝が快適な高め固めの枕と、季節によって使い分けることをおすすめします。
首の後ろから肩甲骨にかけて、僧帽筋と広背筋という、大きな筋肉があります。
大きな筋肉はたくさんの熱を作りますが、広いため表面から熱が逃げやすく、すぐに冷えます。
つまり冬は、布団と枕で肩口を覆って、この肩から背中にかけての筋肉で作った熱を逃がさないようにします。夏は速やかに熱を逃がせるように隙間を開ければいいのです。
睡眠の質を上げるおすすめ枕5選!
ここからは機能に注目した枕を5つ、厳選してご紹介します!
これらと、上述したサイズ感を鑑みて、あなたにピッタリの枕を見つけてくださいね!
フォスフレイクス スペリオールピロー
フォスフレイクスという特殊なポリエチレン繊維を使ったこの枕は、沈み込みすぎず、かといって強すぎない絶妙な反発力で頭を支えてくれます。
体重が軽い人には少し反発が強いかもしれません。その場合は首の下に折ったタオルを敷くといいですよ。
洗濯機で丸洗いできる、というのも男性には地味にありがたい機能と言えますね!
(筆者はこのシリーズの「サイドウェイズ」(L字型をした横向き寝用枕)がお気に入りです)
エコラテ メガピロー
低反発ウレタン枕なのですが、もちっとした感触はそのままに、必要以上に沈みこまない感じが、女性に比べて体重が重めの男性向けに感じました。
「寝返りのために開発された」というだけあって横幅は70cmと広く(通常64cmあれば充分と言われています)、上記の弱すぎない反発力によって寝返りがとても楽です。
Cumulus 100%天然ラテックス 高反発枕
天然ラテックス(ゴム)でできた枕なので強めの弾力がへたりにくく、ゴム臭もほとんど気になりません。洗濯機で丸洗いできるので、夏用の枕にピッタリです。
指圧効果のある表面の凹凸が気持ちいいので、薄手の綿か麻の枕カバーを使いましょう。
六角脳枕
寝返りのしやすさと枕に仕込まれた冷却材(と言ってもキンキンに冷やすものではありません)が特徴で、夏の睡眠を快適にしてくれます。
少し小さめ(横幅50cm)なので、普通から小柄な方に。
サンフラワーラタン 籐抱き枕 MA062S
言わずもがな、夏向きです。
体の真ん中に隙間ができるのは想像以上に快適で、よく眠れますよ。
抱き枕カバーは使わないほうがいいですね。
立てかけて乾かす程度で特に手入れの手間もかかりませんが、気になるようでしたら固く絞った濡れ布巾で表面を拭いてください。
まとめ
毎日元気であってこそ、つらい仕事にも耐えられるし、遊びもとことん楽しめるというものです。
それが枕ひとつ(夏冬ですから2つですが)で買えるのですから、安いものです! 毎日使うものですから、トータルで考えればコスパは限りなくいいですしね!
本記事を参考に、是非、これまでよりも良い睡眠を手に入れて、楽しい生活を送ってくださいね!